MELC(長岡ゼミ)のブログ

関係性・言葉をつむぐこと ~ギフトスクール「映画×コピーライター」に参加して感じたこと~

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4月30日。良く晴れたGW直前の日曜日。私はギフト経済ラボが主催しているギフトスクール「映画×コピーライター」というイベントに参加した。イベントは日比谷公園の中にある日比谷図書館 スタジオプラスで行われた。ギフトスクールとは、ペイフォワード(恩送り)の仕組みで運営されている。ギフトスクールに賛同するゲストの方々がテーマを持ち寄ってイベントをすることを通して、年齢・性別・学歴・能力などに関係なく、学びたいという想いを持つ人が、学びを「ギフト」として受け取ることのできる場をつくり、その学びを生活の中や誰かに伝えることで学びの恩送りをしていきたいという想いで運営されているそうだ。今回私もギフトスクールで得た学びを恩送りしたいという想いも込めてブログを書いている。イベント自体は第5回だが、私にとってはじめてのギフトスクールだったため、どんな話が聞けるのかしらとわくわくしながら席に着いた。

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 今回のテーマは「映画×コピーライター」。映画「つむぐもの」の鑑賞と、コピーライターの阿部広太郎さんによる「言葉をつぐもの」というテーマでセッションが行われた。

「つむぐもの」という映画は、ワーキングホリデーで韓国から来た女性と和紙職人の介護を必要としている男性との関わりを描いた映画だ。映画を観ていて、はじめは介護する側のみが介護される側へ多くの“give”を与えているように思っていた。しかし次第に介護する側、される側の間の関係性が“give&take”の関係へと変化していたように思う。はじめは人種・言葉・性別・年齢など“違い”から認め合えなかった二人が介護を通して、少しずつ相手の気持ち、考え方を理解しようとしたことが関係性の大きな変化となり、人と人が関係性をつむぐ一歩になるのではないかと感じた。

映画のつぎに、コピーをつくるとはどういうことなのかについて、レクチャーをしていただいた。そして参加者自身も与えられたテーマについて実際にコピーを考え、全体でシェアをした。レクチャーの中で、「言葉の定義は人次第。だけど伝わるかな?ということを考え続けること、人の気持ちに寄り添うことが大切。」というお話が印象的だった。夏目漱石は「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳した。これは夏目漱石にとって愛とは「共有」することであったからだという。このようにコピーは誰かに向けて書くのではなく、たったひとりに向けて伝わるように書くこと。そして自分の中にある経験の中から思い出す、見つけ出す、ということを繰り返しながら書くこと。そうお話していただいた後、私たち参加者も実際に「I love you」をテーマにコピーづくりに挑戦した。そしてそのあと一人ひとりがつくったコピーを机の上においで鑑賞し合う時間があった。鑑賞しながら同じ「I love you」でも、その人が「愛」をどうとらえているのか、2017年をどうとらえているのかということが表れていたように感じた。その中で共感できるものはたくさんあっても“同じ”ものはなかった。それぞれが経験から伝えたい言葉をつむぎだしていた。

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最後にギフト経済ラボの松浦 貴昌さんから、私たちは日々多くのgiftをもらって生活している中でそのgift(恩)を恩返しはもちろん、他の人へ恩送りするということも大切にしてほしいというお話があった。
私が今回のイベントに参加することができたのは、ギフト経済ラボの方々の運営・ゲスト講師の方がいたからだが、同時に前回までの参加者の方々のgiftのおかげだからである。そして当たり前かもしれないが、今回のイベント、そしてギフト経済は家族・大学など決まったコミュニティの中だけで構成されているわけではない。隣の人はその日に初めてあった人だ。しかし偶然の縁を感じながら楽しんでいたように思う。それは運営側・参加者側両方がgiftを大切にしたいという想いを持っていたからではないだろうか。そんな風に人との関係性・言葉をつむごうと努力することがgiftをおくる第一歩であり、人とのつながりの中で助け合うことで始まるgift経済がより広がっていったら社会やコミュニティのカタチも変わるのではないかと考える時間になった。

カテゴリー: MINAHO! 越境レポート

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