MELC(長岡ゼミ)のブログ

名刺と肩書きはコラボレーションのきかっけづくり(パラレルキャリア─新しい働き方を考えるヒント100を読んで)

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先日、職場の机周りの掃除をするのにゴミを拾っていたときに、それぞれの机に名刺が置いてあるのを見てふと思ったことがある。

 

名刺の役割って何なのだろう。

 

わたしは名刺の肩書きが怖い。名刺交換をしたとする。役職名から権力や地位を感じ、役職のイメージにその人を当てはめてしまうことでフィルターがかかり、その人のことをきちんと見ることができなくなる。これを同期のゼミ生・宮田は「肩書きバリア」と呼んだ。

また、わたしが肩書きが怖くなったきっかけもある。大学時代に参加したイベントで、学生と社会人が少人数でテーブルを囲んで対話する機会があり、「学生さんから見てどうなの?」とひとりの社会人の方が聞いてきた。わたしは驚いた。イベントが始まってすぐに、初対面で緊張もしているだろうからとアイスブレイクとして、自己紹介したり、どんなことに興味があるかを話す時間があったし、名前がわかるようにとネームプレートも付けており、わたしだって「むらまつ」とばっちり書いて見えるところにつけていた。自分の意見がお互い言いやすい、また受け入れやすい、いい雰囲気だと思い始めたときに「学生さんから見てどうなの?」と質問されたため、わたしは固まった。肩書きの壁は思ったより分厚かった。

 

だから、その一件からずっと「名刺なんていらない」と思ってた。

 

でも、それから考えた。

わたしはもしかしたら名刺や肩書きのことを誤解しているのではないか。必要な場面があるというのは理解しているつもりだったが、名刺や肩書きはダメなものだ、差別するためのものだという、勝手な固定観念が知らないうちにできていることに気がついた。

 

今までわたしが見た事がある名刺の肩書きは、ポジションを表すものだったように思う。組織(会社)>役職>名前、という感じだろうか。身分の証明や、組織の中でどのくらいの地位なのかを示すものに見えた。また、部長、課長、社員と言われても、普段何をしているのか想像しにくい。初めて会った人に、何よりも先に名刺を渡したとしたら、上下関係が名刺交換した中で一目でわかるはずだ。すると、言葉の主導権を「上」が持つことになるのではないか。実際、大学時代に参加したイベントではそうだった。普段空気が読めないと言われているわたしでさえ、こればっかりは空気が読めた。

 

 

しかし、最近、わたしは「名刺はあったらたのしいもの」だと思えてきた。

 

誤解を解くきっかけとなったのは『パラレルキャリア──新しい働き方を考えるヒント100(ナカムラクニオ著)』だ。この本の主題からは逸れるが、わたしはこの本から「自分は何ができるかを考えて行動して、人と出会って、お互いがいいパフォーマンスをしていこう。それが新しいものを生み出すことがある。」というメッセージを受け取った。

 

パラレルキャリア──新しい働き方を考えるヒント100(ナカムラクニオ著)

 

パラレルキャリア.jpg

もし、名刺に「肩書き」を載せるなら、自分が何ができるかを書くのがいいと思った。できることや能力、特技もいいと思う。例えば、本の中で『現在、僕の仕事はブックカフェの企画運営、金継ぎ作家、映像ディレクターという感じでパラレルワークを楽しんでいます。(p110)』と著者が述べているし、背表紙をめくった左上に書かれている著者のプロフィールも『映像ディレクター。金継ぎ師。専門学校講師。山形ビエンナーレキュレーター。(抜粋)』としてあり、これがそのまま「肩書き」になるとわたしは思う。

これなら名刺を受け取った人にも、この人が何ができるのかわかるだろう。それに、名刺を見ただけでこの人と一緒にやってみたいことが思い浮かぶかもしれない。コラボレーションのきかっけをつくりだす手助けとなるかもしれない。

 

私だったらどうだろう。今までの名刺の型に合わせると「派遣社員」となる。自分が何ができるかを書く方法で肩書きを考えると、「天気番組制作スタッフ、スイミングクラブ運営・選手・ウェブ管理、音楽ライブやイベントのライター」という感じになりそうだ。この先、この「肩書き」は増えたり、言い方が変わったり、分かりやすく編集されていくのだとも思う。

 

今までわたしが名刺だと思い込んできたものは、交換した人との間に上下関係や距離をつくるものだったようにわたしは思っていたが、何ができるか、どんなことに興味があるのかが書かれた名刺なら、それは相手のことを知る手がかりになり、会話が弾み、うきうきするものになると考えた。新しいことが始まる予感がする!

 

 

それでも、名刺交換することよりも、もっと大事なのは、会った人と話しをすること、聞くことだとは思うけど。

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カテゴリー: みきてぃ 読書レポート

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