MELC(長岡ゼミ)のブログ

料理って楽しい!〜サルベージ・パーティで感じたこと〜

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食料廃棄を考えるパーティに参加した。5月29日(日)に渋谷で行われたサルベージ・パーティだ。これは、参加者が自宅で使いきれなかった食材を持ち寄り、プロのシェフがその場で調理して1品〜5品のメニューに変身させるパーティだ。完成した料理は参加者でシェアする。開催地・渋谷のお家ギャラリーは渋谷駅から徒歩5分。キッチンの雰囲気はおしゃれでわくわくした。パーティは11時〜14時までの3時間で、終始美味しい料理と笑顔に溢れていた。

 

今回私がこのパーティに参加を決めたのは、パーティの趣旨とは少し違うが、忙しさのあまり蔑ろにしていた食事を見直したい、という思いからだ。大学の新学期が始まってからこの日までの2ヶ月間、休みなしで走り続けてきた。掛け持ちしているアルバイトは3つ。加えて週20コマの授業と、ゼミ活動に精一杯で食生活は乱れに乱れていた。食事の時間は日によってバラバラで、朝は食パン、昼は菓子パン、夜はアイスクリームという日もあった。偏った食生活を繰り返していた結果、パーティの2日前に体調を崩し2日間寝込んだ。おかげでパーティ直前になって食への関心がより高まったわけだが、もう寝込みたくないなというのが正直なところだった。新しい自炊メニューを一つでも多く持って帰りたいという期待感を持ってこのパーティに参加した。

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この日のサルベージ・パーティでは、ゴーヤや人参などのどこの家庭にもある野菜、ひじきや切り干し大根、鯖缶やココナッツミルク缶などの保存食、実家から送られてきた大量のうどんや鮎など、バラエティ豊かな食材が集まった。いったいどんな料理ができるのかわくわくしながら見ていると、シェフの吉田さんは次々におしゃれで美味しそうな料理を作り上げていく。なんでも「作りながら考える」のだそうだ。とても楽しそうに料理をされている吉田さんを見て、また、パーティの楽しげな雰囲気に触れて、なんだか私も料理がしたくなってきた。

 

一番印象的だったメニューは2品目のゴーヤと人参のカレーチャンプルだ。白米と一緒に食べたくなるような、後ひく美味しさだった。母が実家でよく作ってくれたゴーヤチャンプルに似ていたので、なんだか懐かしく心温まるものを感じた。料理をする過程で吉田さんは、基本的な知識を教えてくれた。この料理のポイントは「野菜はシャキシャキしていなくても美味しい」ということ。今回使用した人参は古いものだったので。シャキシャキ感にこだわるよりも、くたくたにしたほうが美味しい。こうすれば彩り鮮やかで、簡単ですよねと、ピーラーで切って見せてくれた。たしかに包丁でスライスするよりも簡単に薄く切れる。火が通りやすので短時間でくたくたに煮込むことができるというわけだ。一人暮らしの自炊にはかなり使える知識だなという印象を受けた。

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今回のサルベージ・パーティを通して、自分が今までいかにバランスの悪い食事をとっていたかに気づくことができた。それと同時に、料理の楽しさも再確認することができた。シェフが教えてくれた知識は私にとって新しいものばかりだったし、料理はどれも、涙が出るほどおいしかった。久しぶりに手作りの料理を食べて温かみに触れたからなのかもしれない。料理は本当は素晴らしく楽しいものだった。たしかに一人暮らしをする中で、料理はどうしても面倒臭いと思ってしまう。一口コンロなのに加えて狭いキッチンスペースで、物も満足に入れることのできない冷蔵庫ならばなおさらだろう。一人暮らしの自炊離れには共感する点が多くある。だが、このような場所で料理の知識とわくわく感を感じ、自分でもやればできそうだと思えば、多くの人が自炊してみようかな、と思うのではないだろうか。実際に、私はこの日から3日間連続で自炊して、焼うどん、カレー風味の野菜炒め、豚の卵とじ丼を作った。久しぶりの手作りの料理はとても美味しかった。この日から、冷蔵庫のものを使い切るまで捨てなくなった。料理は私の中で、面倒なものではなく、とても楽しいものへと変化した。

 

現在の日本の食料廃棄率はトップクラスだ。私一人がたったの3日間生ゴミを出さなかったところで、食料廃棄の現状は変わらないだろう。しかし、私のように「楽しい」を原動力として動く人が増えるが、少しずつではあるが問題は解決に向かっていくのかもしれない。そのきっかけを提供してくれるこのようなパーティはとても有意義であると思う。

カテゴリー: Emily 越境レポート

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