MELC(長岡ゼミ)のブログ

NPOの報告会を通して感じた人と思いのつながり。

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6月27日(土)にNPO法人CATiC「カンボジアに映画館をつくろう」で、2015年の前半期の報告会を開催した。
CATiCは、「生まれた環境に関係なく、子供達が平等に夢をみれる社会」の実現に向け、途上国の子供達に向けて映画による夢の種まきの活動をしている非営利団体で、私は今年の4月から活動に参加している.

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途上国支援というと、衣食住に関わる生活に必要な支援をすることが多いが、私たちの支援は、生きていく上で必要かというとそうではない。娯楽がなくても、生活していくことは出来る。しかし、「知らない夢を語ることはできない」テレビも映画も何もない村では、皆、将来像を同じように描く。そういう大人達の未来しか知らないからだ。思い返してみれば、自分の夢や将来の像というのは、その選択肢に出会ってから初めて描けるものだったということに気づく。私たちの活動は、途上国での子供達のキャリア教育でもあると思う。
(CATiCについての詳しい説明はこちらの記事を是非)

ただの映画好き(と思われがち)な私がこの活動に出会ったのは、昨年の年末のことだった。これほどまでに自分が好きな映画から受けてきた力で何かすることは出来ないかと悶々としていたところ、Twitterで集められた映画好きな人たちとの交流会の場に参加し、CATiCにてついてプレゼンをしていた大学生と出会った。そのプレゼンの中で、間違いなく私が心を動かされてしまったことが、「映画には、一人の人の人生を動かすきっかけを与える力がある」ということ。私自身、映画に心を動かされ、様々な行動をしてきたと思い出した。そんな映画による夢の種まきに心魅かれた私は、プレゼンを聞きおわるや否や、彼に話かけていたのだった。
現在は、CATiCの活動を支える資金調達を担当するファンドレイジングの部に私は所属している。

今回の報告会の目的は、支援してくださっている方に向けて、2015年の前期活動の主であるGWに行われた、カンボジアでの移動映画館ツアーについてお話することだった。今回のツアーでは、過去最多の701人の子供達に映画を届けることが出来た。そのときの様子を写真や動画をあげながら説明し、参加者の方からは質問を上がった。「どうやって上映をしているのか」などの詳しい内容についての質問や、これからカンボジアで活動してみたい、という大学生から「「夢の種まき」という言葉はどこから思いついたんですか?」という素敵な質問も。S__56631302.jpg

△報告会の様子


私は、報告会の間は、一番後ろにたち、参加者の方同様にお話を聞いていた。参加者は、普段支援をしてくださっている方から、インターネットで見かけて興味をもっていらっしゃった方など30名ほど集まっていた。報告会後の懇親会でお話をしてみると、参加者の方が、CATiCに興味をもったきっかけは、「カンボジア」であったり、「映画」であったり、「教育」であったり、様々であった。私自身がどうしてCATiCにいるのかなどをお話しすると、「今度こういうことしましょう!」など、参加者の方から提案してもらう場面もあり、新しいつながりから、新しい活動に発展していく予感たくさんあり、とてもワクワクした11403096_1072833122745080_6679925421969432601_n.jpg△想定以上の多くの方が懇親会にも参加してくださった

(詳しい報告会の様子の記事はこちら )

今回の出会いの中で、特に私が心に残ったのはこの報告会の場所を提供してくださった方だ。
今回は株式会社ソーケンさんに素敵なワーキングスペース「ソーケン・ソーシャルサロン」を貸し切らせていただいた。CSR活動として、社会的な活動を行う団体に場所を無償で提供しているとのこと。社長の有吉さんは当日も土曜日の休日であるのに、場所を貸し出すだけでなく、きちんとしたスーツ姿で会場にいらっしゃっていた。
5週間シアトルににいた際にみた米国企業の先進的なCSR活動とNPOの関わりから、企業のCSR活動に興味をもっていた私は、直接有吉社長に「どうしてこの貸し出しをしているのか」を聞いてみた。すると、「社会的活動をしている方たちを応援したいという気持ちもですけど、私たちのためでもあるんですよ」と言う。

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△会社の1階の入り口の横にあるこのサロンには色も形もさまざまなイスが取り揃う


この「ソーケン・ソーシャルサロン」には、色や形がさまざまなイスが揃っている。「うちが扱っている大好きなブランドさんのイスなんですけど、珍しいものだし、値段もはります。でも本当にいいものなんですよね。イスって、ショールームとかで少し座っただけじゃ良さなんてわからないんじゃないですか。座り心地が本当に良いかわかるのは、長時間使ってみて初めてでしょ?だから、こういう場を提供して、座った人がいつか買うときとかで、イスの良さが伝わったら良いな〜なんてことも密かに思ってます。報告会の様子を皆さんが広報したら、それでイスも映りますから、うちにとってもそれは広報です。だからイーブンイーブンなんですよ」と教えてくださった。素敵な場所だな〜〜と写真をたくさん撮っていた私は、社長の知られざる思惑になるほど!と思ってしまった。


スーツ姿の社長に少し緊張していた私だったが、徐々に気さくに話してくださる有吉さんに緊張も溶けた。「場所を借りるお金の分を活動に当ててもらう方がいいじゃないですか。私自身も接待ゴルフに行くよりも、新しい繋がりがもてるほうが楽しいんですよね。」と笑う有吉さんに、素敵だなあと思った。言うは易し、行うは難しだと思う。ソーシャルサロンには、今後の予定についてのチラシがたくさんあり、毎週末このソーシャルサロンを貸し出している様子が伺えた。
私が現在CATiCの資金調達の部に所属しているのもあって、CATiCを通して、企業の方にNPOとして支援のお願いをしたりする場があるが、もらうだけでは続かず、与えるだけでは続かずという現実に直面する。有吉さんのような考え方が出来るのは、社長の社会問題への関心・貢献の志の高さ故だと思うが、もっと多くの企業の人がこうした考え方を出来れば、世の中で社会貢献に奮闘する人たちの生活は救われるのではないか、と思う。しかし、そうした考えの企業はごくわずかであり、非営利団体が活動費を工面するのはなかなか難しい。社会のあり方として、今後もっと積極的に支援をする企業が増えればいいのにな、と思わざるを得ない。

CATiCの代表のさおりさんと有吉社長の出会いから、今回ご提供いただけることになったのだが、「なんか思いが強い人には、支えたくなっちゃいますよね」という有吉さんの意見には私も深くうなずいてしまった。さおりさんは、自分の生活を後回しにして、突然カンボジアにいき、子供に映画を届けてしまうほど思いの強い人だ。誰かと誰かの助け合い、というのはその人となりに魅かれておこるものだと思う。私がCATiCで日々活動をしているのも、気持ちによって動かされていると強く感じる部分だ。

人と人の思いがつながり、日々動いていると感じることの出来た報告会だった。

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カテゴリー: ふじこ 越境レポート

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