MELC(長岡ゼミ)のブログ

本に書いてないことを体験をしたカレーキャラバン

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11/16日曜日、福島県南相馬市へ行ってきた。ずっとたのしみにしていたカレーキャラバンに参加するためだ。

ひとつ前の木村優菜さんのブログでも書かれているように、カレーキャラバンとは、2011年墨東大学で墨大カレー考の講義を行った、カレーキャラバンリーダー木村亜維子さん、慶応大学SFCの加藤文俊先生、普段の人々の営みを紡いだ物語を冊子にする国立文庫プロジェクトの木村健世さんの3人による、カレーをつくることでまちを知るというプロジェクトだ。

 

今回は、朝日座という、芝居小屋として創業されて約90年もの歴史がある映画館と、横の空き地で行われた第一回うまままつりの中の一つの催し物というポジションでのカレーキャラバンだった。

 

当日の朝、朝日座の最寄り駅である原ノ町駅から商店街を歩いていたのだが、自分の他に歩いている人がほぼいなくて、この日お祭りがある地域には見えなかった。ここでカレーをつくって誰か食べにくるのだろうか。そんなことを考えていたら、寒さで白い息になりながらもニコニコとビラを配りながらこっちに向かってくるスタッフの人と朝日座が見えてきた。

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会場では既にカレーキャラバンメンバーの3人が道具の準備を始めていた。小さなすりこぎを使ってアーモンドをすりつぶしている加藤先生が「あー、飽きた。」とひとこと。ならば私が!と思い「それやりたいです」と声をかけたことからわたしのカレーキャラバンははじまったのだった。アーモンドをすりつぶす作業もそこそこに「生姜のみじん切りよろしく!」と木村さん。細かい方がいいかなと思い、はじめは小さめにしていたのだが、いや、食感があったほうがいいのか、とも思い、少し大きめにしてみた。自分が関わったことがどんな影響を与えるのか想像するとわくわくしたり、その場で考えて動くことが難しくもあり楽しくもあったり、ただカレーをつくっているのではなく自分の中でいくつものことを考えていた。


≫実は工夫した生姜のみじん切り 

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カレーをつくっていると人が集まってきた。さっきは道にさえ人がいなかったのにどこからこの人たちは来たのだろう。

その人たちと「何?カレー?」「まだお米炊いてないの?はやく炊かないとうまままつり終わってしまうよ」「うままカレーって、なんで”ま”がふたつあるのかね」など、鍋の中のカレーにまつわる会話を自然とした。カレーがあることでお互いどこの誰なのか知らないけど話ができる場所ができていた。

特に、朝から朝日座にいるという2人の小学生の男の子と仲良くなりしばらく話していた。その2人は、馬やポニーに乗ることができたり、無声映画に楽器の生演奏と生のナレーションをつけて上映していたりするうまままつりがたのしすぎて朝からずっといると言っていた。この2人もお互いどこの誰なのか知らないまま話せてしまったため名前を聞くのを忘れてしまった。

≫遊び疲れたあとだったのもあってかおいしいおいしいと食べている小学生の男の子2人

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日の向きもすっかり変わり、スパイスの香りが会場に広がり始めた15:00ごろ、完成が近くなったのを察したのか、まばらだった人も鍋の横に列をつくった。通り過ぎていっただけだと思っていた人たちが、集合をかけるでもなく、打ち合わせをしていたでもなく、各々頃合いを見て戻ってくるのはほかの例えが見つからないので新しい現象だと捉えたのと同時に、カレーの鍋のことを気にかけてくれていたのだと感じ、これには感動した。小学生2人にはちょっと辛めのカレーが完成した。「水、もらっていいですか。辛いけどうまいねこれ。」強がって食べているところがかわいい2人と一緒に食べたからカレーがよりおいしく感じられた。

 

おいしいカレーとたのしいおしゃべりをしたら残るは片付けだ。わたしは外の水道で洗い物をしていて、途中で手を洗いに朝日座に入った。劇場の扉のところに一日をともにした小学生2人のうちの1人がいて、わたしのところにとことことやってきて、「姉ちゃん、食いかけだけどもこれあげるよ。今日頑張ってたから。」とわたしに言ってきた。ひとくちくれようとしているのか、優しいなと思って口を開けたら、洗い物で冷たいわたしの手を取ってクレープをもたせてくれた。「今日はありがとう。」さささーっと走り去ってしまったが、あたたかい気持ちになった。こちらこそありがとう。

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 ≫朝日座の前の屋台で売っていたクレープやフランクフルトを販売していた。そのクレープを買って食べていたのだろう。写真は食べかけのクレープ。

わたしは福島まで本に書いてあることを見に行ったのではなく、自分で体感することでわかること、感じること、気づきがあると思って参加した。だからこうしてアウトプットもしたいと思った。そこにいた人で同じ体験をした人は誰一人いないということもわかった。木村さんのブログにあった「ありがとう」と、わたしの印象に残った「ありがとう」は、同じ場所にいながら異なる場面を見ていた。

 

本になってない最先端のことがやがて本になって、その本を読めば全部わかるということではないことがわかった。読んだら理解した気になってしまうかもしれないが、自分の体験・経験は自分にしかわからないものだし、誰にも否定できないことだし、その人にしかわからないことがたくさんあるように思った。本に書いてない事実として残るエピソードがカレーキャラバンに関わった人たちにあるということを強く感じたのだった。

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カテゴリー: みきてぃ 越境レポート

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