MELC(長岡ゼミ)のブログ

共感コミュニケーションの体験

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 4月28日(土)、渋谷にあるloftwork lab 10Fでソーヤー海さんによる共感コミュニケーションワークショップに参加してきました。日々の生活の中、または仕事上でのプロジェクトを進めている過程で「なぜわかってくれないんだ」、「僕のいいたいことは違う」、「なぜ気持ちがつたわらないのか」といったことを感じることがあると思います。なぜ相手と分かり合えないのか、またどうすれば良いコミュニケーションをとることができるのか。今回のワークショップはこのような疑問を少しだけ解消し、僕のコミュニケーションに対する関心をさらに深めるものとなりました。これからその体験について書いていきます。

 

 僕にとって初めての渋谷の印象はとにかく人が多いことでした。人ごみが苦手な僕にとってかなり体力を使う場所です。そんな渋谷駅から歩いて10分ほどのところに、loftwork labはありました。早速会場入りするとすでに参加者の方が3人ほど座っていました。僕は同じテーブルに座った方とワークショップが始まるまでの間、話しをしていたのですが、僕が下手くそなのか、緊張しているからか、なかなか話しが続きません。開始時間が近づくにつれて人が集まってきたのですが、僕はその場全体が重苦しいと感じていました。具体的にいうと、会話がとても少なく、一人一人配られた資料をただひたすら見て時間を過ごすといった状況です。僕も一言、二言しか話せませんでした。(これではいけないのですが)。わずかにあった会話もどうやら知り合い同士だったようで、とても良い雰囲気とは呼べない中、ワークショップは始まりました。

共感1のサムネール画像

この重苦しい空気の中、まず海さんが始めたのは皆でダンスをするということでした。人差し指を立て、腕を上下に振りながら、腰をふり、足踏みしながら「ミンゴ、ミンゴ」と発声する不思議なダンスです。ちょっと見た目はアホっぽく可笑しいのですが「皆でやれば怖くない」と海さん。皆で踊ることによって自然に笑顔になり、すごく和やかな雰囲気になりました。会話も生まれてあの場にいた全員がうちとけられたと感じたと思います。僕も緊張がほぐれて、自然体でワークショップに参加できました。

 

その後本格的にワークショップが始まりました。2人組になって一方が最近あった嫌なことを1分間話す。もう一方は質問をしたり、アドバイスをすることは許されず、ただ相手の話を聞きます。話し手はひたすら愚痴を聞いてもらえる素晴らしい時間を手に入れたわけですね(笑)。そして話し終わると、次は聞き手が今聞いた話をそのまま話し手に返します。その際もアドバイスや自分の評価、批判は一切入れずに。僕は聞き手を最初にしましたが、リフレクションをすると相手の方から「ちょっと違う。私が本当に不満だったのはそこじゃないよ」と言われました。僕はそのまま返すのではなく間違った理解、解釈をしてしまったのです。他の組でも同じことがあったようです。いかに僕らは会話をしていても相手の言ったこと、言いたいことを正しく理解していないのかがわかります。反対に僕が話し手でリフレクションしてもらうと僕の言ったことがそのまま返ってきて、「この人はちゃんと話しを聞いてくれたんだ」と嬉しく思いました。ここで僕は評価やアドバイス、共感を求める前に、ただ話しを聞いてもらい、正しく理解してもらうだけで欲求が満たされているかもしれないと気づきました。また、このリフレクションをすることでより相手の立場になって考えることができたという意見もありました。

 

 今度は3人組になって、また別の嫌だったことを話します。あらかじめニーズの書かれたカードをテーブルに広めておき、聞き手は話し手が何を求めていて、嫌な気持ちになったのかを推測し、カードを選んで渡していきます。話し手は受け取ったカード以外のニーズが残っていれば自分で付け足し、その中から1番を選ぶといった手順です。僕は聞き手の際、「この人の怒りはどこからくるのだろう?」と感情の奥にある欲求を考えました。僕の選んだニーズは選ばれないと「この人の1番はこれかぁ」と間違ってはいなかったとしても1番では ないんだとわかりました。相手のニーズを考えるのはなかなか難しい。逆に自分が話し手になって、カードを受け取ってみると、「ちょっとこれは違うな」と思うこともありましたが、渡されてから「これも求めていたかも」と後から思うものもちらほら。ただ今回渡せるカードの枚数は無制限だったので「とりあえず…」といった面もあったとは思います。

共感3

 今回のワークショップでfeelingはneedと密接なつながりがあると感じることができました。楽しいという感情はどのような欲求が満たされているのか。また、怒りという感情はどんな欲求が満たされていないから生まれるのか。これを常に意識することで相手を本当に理解し、共感することができるのではないかと思います。「この人はこういうことが言いたいんだ」と僕がおもっていても、本人に確認してみると実際は違いました。たった1分の話しの中でさえ、誤解が生じてしまったのですから、僕は毎日、どれだけ間違った認識をしているのか見当がつきません。しかし間違いは起きやすいとわかっていれば互いに衝突する前に歩み寄ることができる可能性があります。勿論、これだけで良いコミュニケーションができるとは思えません。これからもっと詳しく知り、理解を深める必要があるでしょう。しかし自ら体感することによって、相手と共感できるようになる第一歩になったのではないかと思えるワークショップでした。

カテゴリー: ウツヒロ 越境レポート

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