MELC(長岡ゼミ)のブログ

プロジェクトの概念を揺さぶる

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7月4日、今年度第4回目のカフェゼミは、SFCの加藤文俊先生の「カレーキャラバン」のお話を聴き、プロジェクトを通じて何を学ぶか?について考えました。この日は、カフェゼミが始まって以来、参加者最多の51人、しかもゼミ生が全体の参加者総数の半分以下になるという、記念すべき回になりました。

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まずは、経営学部生が一般的に考える「プロジェクト」について、長岡先生からのレクチャーでスタート。「プロジェクト」とは、何か目的があって、それを達成するためのチームを作って、問題解決をする。そのシナリオが、私たちには知らず知らずのうちに身に付いていて、どこか予定調和である、とのことでした。一方で、加藤先生が手がけている「カレーキャラバン」は、私たちが考える、いわゆる“プロジェクト”とは一画を隔てているようです。

カレーキャラバンとは、 墨東大学の講義「墨大カレー考」から生まれたものです。カレーには、カレーとは○○である、という明確な定義はなく、具材もスパイスも隠し味も様々で、さらに地域によっても多種多様です。カレーキャラバンでは、日本中、世界中いろんなまちへ出かけ、その場所で調達した食材と、その場所に居合わせた人々の知恵をまぜあわせ、カレーをつくります。通りすがりの人も大歓迎で、お昼にふらっと立ち寄った人が、夕方になってカレーができる頃になると差し入れを持って再び現れるのだとか。いつもはもの寂しい通りの一角が、その日、その場限りのカレーをつくり、みんなで食べることで、街の人で賑わいを見せるそうです。

ちなみに、私はちょうど去年の、カレーキャラバンの生い立ちに立ち会っていました。

2012/4/19のブログより: 「まち」を見て、「まち」に触れて、「まち」を考える。

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このお話を受けて、私たちのいわゆる“プロジェクト”と大きく異なっていると強く感じたのは、はじまりは、何か課題を浮き彫りにしてそれを解決しようというモチベーションではないという点です。シンプルに、自分達がやりたいからやっていて、一見ゆるく見えがちだけれども、本気で取り組んでいるから意味があるのだと感じました。ニーズがあるから行動を起こすのではなく、自分たちで地域のいいところを見つけ出して、これに貢献したいとか、支援したいという気持ちから行動に起こすスタイルであり、主体はあくまでも“I”。事前に“プロジェクト”であるかどうかを考えてから行動するのではなく、活動を継続していく中で“プロジェクト”として見えてくるものがある。それが、「カレーをつくることは、まちを知ることである」というカレーキャラバンでした。

あるかもしれないし、ないかもしれない。大事なのは、楽しみながら真面目に、継続的に続けてみる。そんな新たな“プロジェクト観”に触れたような気がしました。

カテゴリー: まこ カフェゼミ

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