MELC(長岡ゼミ)のブログ

本のつながり。

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おとな大学主催の~夏の課題解決プロジェクト「育てるブックカフェ」に参加してきた。


おとな大学とは


「豊島区」、

「NPO法人いけぶくろ大明」、

「NPO法人NEWVERY」の三者による新しい若者支援事業。

「文化」と「地域」の力を借りて若者が学べる場を目指している。

http://www.otonadaigaku.com/Otonadaigaku.html

 

「育てるブックカフェ講座」とは

 

おとな大学で、2013年、春に元・小学校の図書室のスペースを活用し、ブックカフェをオープンする。このブックカフェをゼロからつくる過程を、本と人がつながることに関心がある若者にも携わってもらおうということで生まれた、ゼロから「本棚」を作るワークショップ。

この講座は1ヶ月間、全5回で構成されており、場所はすべて廃校になった小学校「みらい館大明」の図書室で行う。全5回のうち、最後の二回では「大明祭」というみらい館大明の文化祭でこの講座で作った本棚を公開する。

みらい館大明:http://www.toshima.ne.jp/~taimei/

 

「本を差し出す」ということ

 

「育てるブックカフェ講座」第一回では、「BACH」代表でブックディレクターの幅さんの話をお聞きし、これから本棚を作るに際してのヒントを頂いた。

その幅さんの話でとても印象的だったのは、「どの本を差し出すのかはもちろん重要なのだが、その本をどう差し出すのかも重要になってきている」というお話だ。ワカサギ釣りの場面を想像してほしい。インターネットの検索型の世の中では、その氷の下に広がっている海の世界を知ることが大事。ワカサギ釣りで、意図せずに長靴が釣れてしまうようなこと。つまり、不確かなことに面白みがあるという。私は、書店の良さの一つに、「本との偶然な出会い」があると思っている。例えば、POPを見て偶然手に取った本をちょっと読んでみたら面白くて買ってしまったり、表紙のデザインがいいと思って本を買ってしまうことはよくある。そこには、自分の意図のしていなかった出会いがある。それを本を提供する立場から考えると、本を差し出すということは、そういった本と人との出会いをつなぐということではないだろうか、という考えが浮かんできた。その出会いから、興味や物の見方を広げてくれれば尚いいのではないか。これから本棚を作るにあたってのヒントになる「視点」を頂いた。

 

知ってもらいたい世界の見方を本棚にする

 

第二回では、鎌倉にある古書店の「booksmoblo」店主である荘田ご夫妻のお話をお聞きした。booksmobloでは、どんな取り組みをしているのか、どんな本をおいているのか、どんな差し出し方をしているのかなど、興味深いお話をお聞きできた。

その後で、みらい館大明、館内で本棚作りに使える什器をみんなで見に行く、「みらい館大明の館内ツアー」をした後、

おとな大学の事務局の方から、今後の方針の説明があった。それによると、


大明祭のテーマは「理想」

     ⬇

「理想」のブックカフェを目指す。


そして、


・ちびっ子(小学生以上)


・思春期の君へ(中学生〜高校生)


・わかもの(大学生〜20代社会人)


・としうえのみなさま(30代以上)


上記の4つの世代ごとにチームに分かれ、「それぞれの世代に知ってもらいたい、世界の見方を本棚にしてください」とのこと。

私は、「思春期の君へ」チームに参加した。思春期チームは私を含めて3人。大学院生の方と大学3年生の方であった。

チームに分かれた後で、選んだ世代はどんな世代なのか、どんなことを知ってもらいたいかをチーム内で意見を出し合った。

私のチームでは、それぞれの思春期時代になにをしていたか、どういう自分だったのかをチーム内でシェアした。そこで出た意見をまとめると、思春期時代では、触れる世界、人は限られているのではないか、その限られた世界の中で広い視野を持つことは難しいのではないかということ。本を通して、様々な世界の見方を知ってもらえればいいね、ということであった。意見をだしつつも、図書室内で、使えそうな本をいくつかピックアップしていき、講座終了後も、Facebookで意見を出し合い、本棚のテーマや選書、展示方法を決めていった。

 

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中間発表。そして本棚作り。

 

第3回は中間発表だった。それぞれのチームが考えてきたテーマや本のラインナップ、展示の仕方などを簡単にプレゼンする。

私たち思春期チームのテーマは「本を読もう、もっともっと本を読もう〜本を開くとある世界〜」。

思春期の頃は、触れる世界や人が限られているのではないか、しかしこの多感な時期だからこそ、多様な世界に触れるのは重要なことなのではないか。そこで、この本棚から「多様な世界の見方」を感じ取り、「本を読もう、もっともっと本を読もう」と思ってもらいたい、という想いからこのテーマに決定した。

ほかのチームも、絵本やおもちゃをおいて子供が行きたくなるような本棚、「お酒」と「旅」をコンセプトにした本棚、コミュニケーションツールとして本を利用し、展示を見に来てくれた方と座って話ができるようにテーブルとイスをおいた本棚など、テーマが様々で面白かった。

プレゼン後にはチームごとに大明祭に向けて、実際に「本棚」を形作っていった。

 

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大明祭当日。

 

大明祭当日。9月29日、30日と2日連続で開催されるこの文化祭。1日目は13時から開場だったので、私のチームは朝早くから図書室に集まって、最後の調整を行った。


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そして、いよいよ開場。お客さんはまばらであったが、ちょっとずつ入ってきてくれた。思春期チームにの本棚の所にきてくれた方には、本棚の説明をした。「この展示面白いね」といってくれた方や、中には机に座ってじっくりと読んでくれた方もいた。展示を見に来てくれた方とのちょっとした会話。その会話のきっかけは本棚。「ヒト」「本棚」「ヒト」。このちょっとしたコミュニケーションも「ヒト」の間に「きっかけ」があればこそ、だ。


「育てるブックカフェ講座」最終日は各チームの最終プレゼンテーション。本棚の説明、工夫したところや苦労した所、実際に展示した感想などを発表した。それを受けて、講座の第二回でお世話になった荘田ご夫妻から各チームへのフィードバック、講座参加者一人一人からコメントカードを頂いた。

この講座では、図書館の書簡管理の仕事をされいる方、出版取次の仕事をされている方、図書館の研究をしている方、大学の図書館の書簡管理をされている方、ブックデザインの勉強をされている方など、普段では会わないような、本好きの方と出会う事ができた。とても面白い話がきけていい刺激になった。

 

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今回は、本棚をつくって公開した。「本を差し出す」側になったことで気づいたこと。


本のつながり


本、一つ一つは独立しているものだけれど、その一つ一つを組み合わせることで、本と本がつながって、そこに意味づけがされる。意味づけされた本のつながりがまた別のものとつながって全体を構成する。本棚を作るということは、単に本を分かりやすく配置するということだけではなく、本と本との「つながり」をつくるということ、本1冊1冊、棚1個1個に意味を与えて、受け手にそれを「差し出す」ということだと思った。そのつながりの意味を読み取ることは、本棚の作成者との暗黙のコミュニケーションだ。

この1ヶ月間にわたる「育てるブックカフェ講座」を終えて、「コミュニケーションツール」としての本により興味がわいてき。今後も、本を使ってのコミュニケーションを実践していきたい。

カテゴリー: かね 越境レポート

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