MELC(長岡ゼミ)のブログ

語り、憧れ、そして動く

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2012年前期の活動を振り返ると、自分には「カタリバ」が全てだった。

そもそもカタリバに行くようになったきっかけはというのは、何気なく長岡先生と食事に行った際に、先生の「やってみれば?」の一言で動かされたことだった。今思えば、ここでも小さなカタリバが行われたのだと思う。自分は何に興味があるのか?オープンキャンパススタッフの延長線上で考えられないか?などの気づきがきっかけとなって行動に移すことができた。この時「やろう」と思って行動に移していなかったら、今でもカタリバに出会わないままの自分がいたかもしれない。長岡先生にはとても感謝している。

 

そもそもカタリバとは何なのか。その概要を書いていきたいと思う。

 

カタリバとは、NPOとして活動している組織である。

 1.高校・大学・企業対象の動機付けプログラム提供

2.ハタチ基金事業 被災地への教育支援活動

を主な活動として行っている。事務局員数は46名、登録ボランティアスタッフは約7,000にも及ぶ組織である。対象は主に高校生、そして大学生。総合の時間(100~150分)を使い、キャストである大学生・社会人との対話型ワークショップを行う。というのが現場で行われている。座談会 先輩の話 約束 というプロセスを通じて、次の日からでも具体的な行動を取れるようなきっかけを作り、それを言語化する。

 

①座談会

キャスト1人対高校生5~6人が車座になり【対話、言語化、質問、不安の引き出し、興味の発見、自己開示】などを行う時間。チェッキングシートと呼ばれるツールを使い、これらを引き出していく。

 

 ②先輩の話

選ばれしキャスト数名が自分の経験を語り、高校生に刺激を与えるロールモデルとなる。先輩が話す内容というのは「部活で全力になった話」「人間関係がうまくいかなかった話」「進路選択に悩み苦労した話」など失敗談やそれを乗り越えた話を聞いてもらう。

 

③約束

今までの座談会や先輩の話を振り返り、行動に結びつける作業。「これからどうするか」「明日から何をするか」を問いかけることで具体的な行動目標を考え、それを約束カードに自分の言葉で書く。

 

 

簡単だが以上がカタリバの概要説明である。

自分はそのカタリバにて「首都圏ボランティア」として活動してきた。

  

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首都圏ボランティアとは新しく始まったカタリバでの取り組みで、

・夏の3ヶ月で10企画以上参加。

・プロのキャストとは何かを考え、それになる。

・カタリバを変える提案をする。

というキャスト活動に加え、アウトプットすることが求められる試みである。

 

約1ヶ月半で10高校・大学12現場参加した中で見えてきたものはとても多い。もちろんうまくいかなかったこともたくさんある。コミュニケーションがこんなにも難しいものなのかと感じることもあった。

しかし、そんな試行錯誤の中で自分がはっきりと得られたと感じたものがあった。

それは「誰かに憧れることで、人は変わる」ということである。

 

実際に高校生と話して感じたのは、「こうなりたい」というれのロールモデルに出会うきっかけがあまりないが故に、進路について自信を持てない、考えられないという現状であった。実際に話をした生徒の中に「パイロットになりたい」という子がいた。そうなりたいと思ったきっかけはテレビを通してかっこいいと思う所から生まれた「憧れ」であった。その生徒はキラキラと自らの将来像を語ってくれる、自分もその話にワクワクしとても興味を持った。しかし、その時にふと思う。目の前にいる自分がその「パイロット」であれたらどれだけ目の前の生徒に影響を与えられたか、心に火をつけられたか、と。もしそうであったら、パイロットになるまでの具体的な道のりや現実の厳しさというのも実体験を交えて話せたかもしれない。そう考えると少しだけ悲しい。なぜなら自分にはその子にネットや本で調べたり、専門学校のオープンキャンパスを勧めることしかできないからだ。本当に自分がなりたかったのは、その憧れに近づけてあげるためのつなぎ役ではなくて、目の前の生徒の憧れそのものだったのだと経験を通じて気付いた。だから自分自身、今の自分の経験の中だけで自己開示して生徒に影響を与えようとするだけじゃまだまだ甘いのだと感じた。もっと自らも経験し続け、そこから学び、生き生きと自分を語れるようにならなくてはいけない。人は何に興味を持ち、何に感動するかわからない。十人十色であるからこそ、少しでも自分が経験したことがきっかけになれば良いと心から思う。それがカタリバでの現場を通じて学んだことである。

 

カタリバでは現場だけでなく、自らも活動に関わっていく上で「誰かに憧れる経験」をさせてくれた。それは、キャストに対しての憧れである。周りに対する気づかいのできるキャスト、生徒に本気で向き合っていく姿勢を表現できるキャスト、自分の辛い過去も隠すことなく開示できるキャスト、高校に訪問し企画を1から立ち上げるキャスト。数え切れないほど多くのキャストから自分に足りないもの、自分がなりたいものの像を感じ得られることができた。

 

短期間でここまで「得られた」と感じることができたのは、その短時間に自分がどれだけ関わってこられたかという点がとても重要であるということも同時に学ぶことができた。自分は飽きっぽい性格で、今まで少しやって次というスタイルしかとってこなかった。しかし深く関わって初めて見えるものがあるということをこのカタリバで知ることができた。これは実体験から感じることのできた大きな学びである。

 

 

首都圏ボランティアとしての活動が8月で終わる今。今後の活動として何をしていくか、正直なところ具体的に落とし込めていない。 しかしはっきり言えることは「人」に関わっていくこと、人の為に自分が出来ること、自分にしかできないことを考えて活動してきたい。純粋に何かに憧れる気持ちを持ち続け、自分の経験を全力で語り、誰かの心に火をつける。

 

まずはカタリバで経験したこと感じたことを、カタリバを知らない人に語るところから始めてみようと思う。

カテゴリー: にーやん ゼミ活動

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