MELC(長岡ゼミ)のブログ

「私、踊ります。」

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先日長岡先生のご紹介で、S子さんとお話しする機会がありました。彼女は大学院でダンスを本格的に学んでいた方です。すごく笑顔かチャーミングで「素敵な大人の女性」という第一印象でした。さすが、ダンスをやっていたかたは姿勢がスッとして、指先まで洗練されていて美しい。

ランチをとりながら、S子さんの学生時代や大学院時代、最近ご覧になった公演、などなど、お話を聞く、聞く、聞く…。とにかく彼女は本格的にダンスを学んでいたので、引き出しをこれでもかってくらい沢山持っていらっしゃいました。能・歌舞伎などの伝統芸能の話からLADY GAGAまで(!)、圧巻でした。なんでもワクワク楽しそうにおしゃべりされていました。時間もあーっと言う間に過ぎて、ダンス経験者としてはこの上なく楽しい時間を過ごさせていただきました。とにかく「詳しい!」の一言です。本当にダンスのこと、心から大好きでいらっしゃるんだな、と感じました。

そして私の考え方も一蹴されたような気がします。「やりたいからやったのよ!でもやってみて違うと思ったからやめたの!だからね、こんどはこういうのをやってみたんだけど…」ニコニコとこう話されていたのがとても印象的で、私に足りないマインドセットであると思いました。「やってみないとわからないんだから、とにかくやってみなさいよ。好きだったら続ければいいし、合わなかったら違うのやればいい。」っていう。先生に一喝されましたが、無意識のうちに効率や成功率、生産性を求めてしまう癖がどうも抜けないみたいで、そんなものとは無縁なはずのダンスを長い間していたS子さんを困らせてしまうような、"経営学部生らしい"質問をしていたようです。(…自分で自分を皮肉らなくなるようになんなきゃな。笑)

そんな私が一番興味をもった言葉がありました。「共鳴するダンス」です。

共鳴(名) 
スル 

[1] 振動体や電気振動回路などに固有振動数と等しい振動を外部から加えたとき、大きい振幅で振動すること。電気振動の場合は共振という場合が多い。ともなり。
[2] ある物質の化学結合が、いくつかの結合構造の混成体として成り立っていること。アメリカのポーリングが、化合物の物理化学的性質を説明する際に用いた概念。
[3] 他者の行動や思想などに深く同感すること。

(参照:きょうめい【共鳴】 の意味とは - Yahoo!辞書

この場合[3]を指していると思われます。これはダンサー同士、さらに言うと、動いている人間同士が、即興で互いの動きを感じ合い、ダンス(体を動かすこと)による対話をしながら踊りを作り上げていくというものです。

私にとってはすごく新鮮で、私の中でダンスするということは完全に「対お客さん」というSHOWとしてのダンスです。音楽のPVなんかを想像していただけると分かりやすいかなと思います。わたしは今まで、クラッシクバレエ・ジャズダンス・ヒップホップダンスを経験してきましたが、どれも基本的には振付覚えていく作業でした。ヒップホップをしていた時にたまに振付に煮詰まった時、プロトタイプとして即興ダンスをみんなでやりあったりする程度で、本格的な即興をダンスを通して経験したことはありません。

Contact Improvisationという言葉があります。直訳すると「接触する即興」です。こんなサイトを見つけました↓

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『コンタクト・インプロビゼーション(CI)は、「人と踊る喜び」を糧に他者とのコンタクト(接触や関係性)を保ちつつ、「力」「重さ」「意志」などを、言葉を使わずに受け渡しあいながら、力学にも則り、即興で紡ぎだす対話のようなダンスです。

『CIを通して、「五感で感じること」、「自分を知ること」そして「交流すること」ができます。自分・他者・環境・過去・未来・・・全てが、コミュニケーションの対象です。そこからの情報を受け、瞬時に身体で反応していくことでダンスは始まり、繋がります。しかし、これはダンスだけではなく、すべての芸術・すべての人々の活動に共通して、とても重要なことだと私たちは考えます。』

(サイト:コンタクト・インプロビゼーション・グループC.I.co. | Contact Improvisation Group C.I.co

動画を見るととってもヘンテコリン。決められたテンポがあるようでない、曲調も急にかわってきたり、ピアノから民族楽器のようなものまで…。なんだか凄くスピリチュアルな世界。動きも決まっているわけではなく自由に触れ合って自分や他者を感じているような気がします。私が前にダンスにのめりこんでいた時に追い求めていた「美しさ」・「かっこよさ」・「イケてる感」・「流行」、そういったほんとうに外見的な「見せるためのダンス」ではなく、よく分からないですけど、「コミュニケーションとしてのダンス」、やってみたいと思いました。

(YouTube:Dance Improvisation Project 2011 Charity Jam - YouTube)

なんと70年代からこのようなCIの流れがすでに生まれて結構昔のものなんだなぁと思いました。私的には斬新だったのですが。70年代といえばヒップホップの文化が出始めたころ。なんだかHIPHOP DANCEもCIも発祥や場所や背景は違えど、HIPHOP DANCEは抗争のツールを銃からダンスへ、CIはお互いのダンスを共鳴させる、それぞれやり方のベクトルは全く違いますが、共通項は「他者とコミュニケーションをとっていこうとするために踊る」、これなのかなと感じました。「単なる時代背景なのか?」はたまた「ダンスの本質は見せることじゃなくて、コミュニケーションなのか?」なんて疑問に思うのです。

私、踊ります!ダンスの本質を探っていく航海へ、いざ!

カテゴリー: ますくん

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